ショック(しょっく)

ショックとは、何らかの原因で循環不全をきたし、細胞の低酸素状態により機能障害を呈する状態のこと。

傾向と対策

ショックの①種類②症状、ショック時の③対処方法を整理して覚えておこう!

よくわかる解説

ショックの判断基準には、血圧低下収縮期血圧90mmHg以下、
加えて以下の3つ以上の症状がある状態をいう。
①心拍数100回/分以上
②微弱な脈拍
③爪床の毛細血管のrefilling遅延(圧迫解除後 2 秒以上)
意識障害(CS2 桁以上またはGCS10 点以下または不穏、興奮状態)
乏尿無尿(0.5 ml/kg/hr以下)
⑥皮膚蒼白と冷汗
頻呼吸呼吸数22回以上/分、動脈血二酸化炭素分圧〔PaCO2〕32torr以下)
⑧脈圧(収縮期血圧収縮期血圧の差)が30以下

ショックは、次のような様々な原因で起こる。
心原性ショック心筋梗塞などの心臓のポンプ機能低下により急激に血圧が低下し、十分な酸素供給ができず、臓器の機能が低下した状態。
出血性ショック:外傷などの大量出血による循環血液量の低下によって、内臓の血流が維持できず、血圧が急激に低下する状態。細胞機能が保てずショック状態となる。
神経原性ショック脊髄損傷時に起こる交感神経損傷、疼痛などに伴う迷走神経反射などが原因で起こる。徐脈や心収縮力の低下により心拍出量が低下し、末梢血管拡張による血圧が低下する。
アナフィラキシーショック:I型アレルギー反応によるショック状態で、薬剤や食物、ハチやヘビ毒などが原因となる。特定の抗原がIgE抗体に結合した刺激で、全身の肥満細胞や好塩基球からヒスタミンなどが放出され起こる。蕁麻疹呼吸困難意識障害血圧低下等の症状があらわれる。
エンドトキシンショック細菌性のショックで、敗血症の際に起こる。発熱を伴うことが多く、ウォームショックとよばれ、心拍出量の増大、皮膚の紅潮などもみられる。
一般的にショック状態では血圧が低下するため、下肢を挙上し血液が心臓・脳へと環流しやすくする。

ショックの5徴(5Ps)

Pallor
(蒼白) 末梢循環不全により皮膚が蒼白になる
Perspiration
(冷汗) 交感神経の緊張により漿液性の汗が出る
Pulselessness
脈拍微弱・触知不能) 心拍出量の減少により脈拍が弱まる
Prostration
(虚脱) 脳循環の低下により極度の脱力や無気力、意識障害などが起こる
Pulmonary insufficiency
呼吸不全) 重度ショックでの代謝性アシドーシスにより呼吸が不十分になる


これらのうち1つでも当てはまるものがあればショックを疑うべきとされている

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