血圧(けつあつ)
血圧とは、血管内を流れる血液の圧力のことである。
傾向と対策
また血圧の低下や上昇の起因となる③疾患や④薬剤、⑤日常生活動作、⑥身体症状などに関してもまとめてみよう!
よくわかる解説
正常範囲
血圧は、一般的に動脈血の血圧を指し、心臓の収縮期と拡張期の血圧を測定し、バイタルサインの指標として取り扱われる。
理想的な血圧は120/80mmHg未満(至適血圧)とされ、140/90以上で高血圧、100/60mmHg以下を低血圧という。(単位はmmHg。)
血圧が高い状態が長く続くと血管に持続的な圧力がかかり、脳、心臓、腎臓の血管の動脈硬化を進行させ、脳卒中、心不全、腎不全などの合併症が発生しやすくなる。
上昇要因
血圧の上昇因子として、心拍出量(多いと血圧上昇)、末梢血管の抵抗(高いと血圧も上昇)、血液の粘稠性(高いと血圧も上昇)、血管の弾力(低いと血圧上昇)などがある。
・創部痛などの強い疼痛、運動や入浴、喫煙、心理的要素なども影響する。
・副腎皮質ステロイド製剤の副作用として高血圧がある。
・副腎髄質から分泌されるノルアドレナリン、腎臓から分泌されるレニンは、血圧を上げる作用を持つ。
・急性糸球体腎炎など、腎臓関係の疾患では血圧は上昇する。(心腎連関)
低下要因
心臓の収縮力の低下(心原性ショック)
や血管の異常拡張、血液の喪失(出血性ショック)などにより重要臓器まで血液が送れない状態では血圧低下を招く。
・心臓術後の合併症の心タンポナーデは心嚢内に液体が貯留することにより心膜腔内圧が上昇し、心臓が圧迫されて拡張期充満が障害された結果、心拍出量が低下した状態で血圧低下を招く。
・ニトログリセリンは、冠動脈のほか末梢血管拡張作用があるため、血圧の低下を招くことがある。
・抗癌薬の投与直後にアナフィラキシー様症状として血圧低下が起こりうる。
・麻酔の影響では、血圧低下をきたすことが多い。
・大腸内視鏡検査時の腹部膨満感による迷走神経反射によって血圧が低下する可能性がある。
・高齢者では起立性低血圧が起こりやすく、転倒の原因となる。食後や浴槽に浸かっている状態から立ち上がると、静水圧から開放されることで起立性低血圧を起こしやすくなる。
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