精神看護学|看護師国家試験問題
第101回国家試験 午後118
次の文を読み〔午後問題118〕、〔午後問題119〕、〔午後問題120〕の問いに答えよ。
Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症と診断された。
〔午後問題118〕
Aさんは、自分がアルコール依存症であることを認めず「酒を減らせば問題ない」と言って説明を聞こうとしない。家族への看護師の対応で適切なのはどれか。
第114回国家試験 午前115
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(30歳、男性)は統合失調症で内服治療をしていた。 最近、部屋にこもり、精神科受診以外は外出しなくなった。 ある日、母親がAさんの部屋で大量の薬を見つけ、確認すると「薬は飲みたくない」と話した。受診に付き添った母親は「Aは昼間に寝ていて、夜に窓を開けて、隣の家に向かって「悪口を言うな」「監視するな」と大声で怒鳴る」と主治医に話した。Aさんと母親の強い希望があり、精神科病棟に入院することになり、薬物療法が開始された。
入院3日、夜間の巡視のたびにAさんは起きていて「隣の人が自分を監視している」「皆が悪口を言っている」と小さな声で看護師に話した。日中はホールで眠そうにしていることもあり、レクリエーションには「疲れた」と言って参加しない。他の患者と話すことはあるがトラブルはない。 歯磨きや身だしなみは、声をかけると行う。
Aさんのセルフケアの観察項目で優先度が高いのはどれか。
第105回国家試験 午前78
うつ病で入院している患者が「自分は重大な過ちで皆に迷惑をかけてしまいました。死んでおわびします」という妄想を訴えた。この患者にみられるのはどれか。
第114回国家試験 午前72
社会生活技能訓練(SST)について正しいのはどれか。
第103回国家試験 午後89
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により、病院の管理者が精神科病院に入院中の者に対して制限できるのはどれか。2つ選べ。
第110回国家試験 午後81
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法に規定された入院形態で、精神保健指定医2名以上により、精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると診察の結果が一致した場合に適用されるのはどれか。
第112回国家試験 午後110
次の文を読み 109〜111 の問いに答えよ。
Aさん(54歳、男性)は、年金の給付を受けて生活している父親(82歳)と2人暮らしで、母親は2年前に亡くなっている。20歳のときに統合失調症と診断された。20歳代で何回か仕事に就いたが長続きはしなかった。40歳からは無職で、デイケアへ通所していた。1年前にデイケアを中断してからは、ほとんどの時間を自宅で過ごしているが、月1回の外来通院は継続している。Aさんが飲まなかった薬がたくさん残っていることを父親が発見し、主治医に相談した。この相談をきかっけに、週1回の精神科訪問看護を導入することになった。初回訪問時にAさんは「薬は飲み忘れたんです。心配かけてごめんなさい」と父親と訪問看護師に話した。
問題110
初回訪問から1か月、訪問看護師はAさんが適切に服薬できていることを確認した。Aさんは「調子はいいですね。やる気も少し出てきました。主治医は今の薬を飲み続けるのがいいと話しています。ただ、夜の薬は朝に眠気が残るので昼まで寝てしまいます」と話した。
このときの訪問看護師のAさんへの声かけで最も適切なのはどれか。
第108回国家試験 午前68
精神医療審査会で審査を行うのはどれか。
第108回国家試験 午後63
現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。
第109回国家試験 午前114
次の文を読み112、113、114の問いに答えよ。
Aさん男性、(26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対して
Aさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。
問題114
入院後1か月、Aさんは十分な休養が得られた。退院後の職場復帰にあたり、Aさんから「仕事がうまくいかないと、すごく混乱して落ち着かなくなってしまう。そうなった時はどうしたら良いか」と看護師に相談があった。Aさんへの助言で適切なのはどれか。
第105回国家試験 午後111
次の文を読み〔問題109〕、〔問題110〕、〔問題111〕の問いに答えよ。
Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
〔問題111〕
入院して2か月が経過し、Aさんは服薬による治療で多弁や易怒性などの症状が改善し、落ち着いて過ごせるようになった。Aさんは治療を継続する必要性についても理解している。看護師がAさんと家族への退院指導を行うことになった。退院指導における説明で最も適切なのはどれか。
第101回国家試験 午後115
次の文を読み〔午後問題115〕、〔午後問題116〕、〔午後問題117〕の問いに答えよ。
Aさん(29歳、女性)は、20歳で短期大学を卒業するのと同時に就職したが「会社に行きたくない」と言い出して、2か月で仕事を辞めた。その後は、自宅で何もせずに過ごしていた。昼夜逆転の生活が長く続いたが、ある日、夜遅く帰宅した父親と就職のことで激しい口論となった。それ以来、昼も夜も起きていて、食事も摂らずに自室に引きこもり、ぶつぶつと独り言を言ったり、笑ったりするようになった。心配した母親に伴われて受診し、統合失調症と診断された。
〔午後問題115〕
Aさんの表情は険しく、常に周囲を警戒している。医師が入院を勧めたが、Aさんは興奮し、母親にしがみつきながら「入院はいや。家に連れて帰って」と泣き叫んだ。さらに、診察室のドアの方に走って逃げようとしたため、看護師が制止しようとすると、Aさんはその看護師を突き飛ばした。この看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
第107回国家試験 午後107
次の文を読み〔問題106〕、〔問題107〕、〔問題108〕の問いに答えよ。
Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。
〔問題107〕
Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
第104回国家試験 午後110
次の文を読み〔午後問題109〕、〔午後問題110〕、〔午後問題111〕の問いに答えよ。
Aさん(52歳、女性、専業主婦)は、夫と2人の息子との4人で暮らしている。Aさんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。2か月前から食欲不振と不眠が続いている。1か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病と診断された。
〔午後問題110〕
入院後1か月。Aさんは「私は役に立たない人間です。昔から妻や母親としての役割を果たせていませんでした」と発言している。食事は3分の2を摂取できるようになり、夜間も眠れていることから、主治医は認知療法への参加を勧めた。この時点の認知療法で修正するのはどれか。
第111回国家試験 午前114
次の文を読み 112~114の問いに答えよ。
Aさん(23歳、女性)は大学を卒業後、会社に就職して1人暮らしを始めた。入社後に「会社の制服が似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にるいそうが目立つようになった。「太るのが怖い」と言って食事を拒否するようになり、体重は1年間で10kg減少した。しかし、本人は「まだ太っているから、痩せないといけない」と話していた。久しぶりにAさんと会った母親が、過度のるいそうを心配して、内科受診を勧めた。内科ではるいそう以外に大きな異常を認めず、精神科受診を勧められた。精神科では神経性無食欲症と診断され、外来通院を開始した。その後、低血糖によるふらつきのため職場で頻回に転倒するようになった。それでも食事を十分に摂らないため、精神科病棟へ入院した。入院時、身長166cm、体重36kgであった。入院後、食事のほかに点滴による栄養補給が始まった。
問題114
入院後3か月が経過した。Aさんは体重が41kgまで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。看護師に対して、Aさんは「退院後はすぐに仕事をしたい」と話したが、母親は「ゆっくり自宅で休養してほしい」と話した。母親の面会時に、今後の仕事や生活に関する話題が出ると、Aさんはイライラして母親と口論になることが多くなった。父親は仕事が忙しいことを理由に、面会に来たのは一度のみであった。
今後導入する必要性が最も高いのはどれか。
第105回国家試験 午前114
次の文を読み〔問題112〕、〔問題113〕、〔問題114〕の問いに答えよ。
Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。
〔問題114〕
その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
第106回国家試験 午前111
次の文を読み〔問題109〕〔問題110〕〔問題111〕の問いに答えよ。
Aさん(38歳、男性、会社員)。両親と3人暮らし。25歳のころに双極性障害と診断された。3か月前から気分が落ち込み夜も眠れず、食欲もなくなり仕事を休むことが多くなってきた。無力感を感じるようになり、休職して精神科病棟に任意入院した。入院後は1日中ベッドで横になって過ごし、他の患者との交流もみられない。看護師が話しかけても簡単な返事をするだけで無表情である。食事は病室で摂取しており、摂取量は少ない。
〔問題111〕
入院後3か月が経過した。Aさんが気分が安定し、食事も全量摂取できるようになり、日中は作業療法に週4日参加している。「もう死にたい気持ちはなくなりました。でも、まだ短時間しか新聞を読めないので、仕事に戻るのが不安です」と話している。Aさんの退院に向けた支援として適切なのはどれか。2つ選べ。
第101回国家試験 午前119
次の文を読み〔午前問題118〕、〔午前問題119〕、〔午前問題120〕の問いに答えよ。
Aさん(16歳、女子)は、両親と弟と4人で暮らしている。中学生の頃からモデルにあこがれてダイエットを始めた。高校に入ってからは、太ることへの恐怖から食べた後に吐いたり、緩下薬を服用することも多くなった。次第にやせが顕著になり、無月経となった。Aさんの状態を心配した母親に伴われ、心療内科を受診し、医師から入院治療を勧められ、Aさんは入院した。
〔午前問題119〕
入院後、服薬が開始された。体重と摂取エネルギーについては目標値を設定し、体重増加に応じて活動範囲を拡大していくことになった。医師からAさんに治療方針が説明され、行動範囲は病室内とし、食後1時間はベッド上で安静を保つよう伝えられた。入院後7日、Aさんは「太るのが怖くて、また吐いてしまった」と暗い表情で看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
第104回国家試験 午後113
次の文を読み〔午後問題112〕、〔午後問題113〕、〔午後問題114〕の問いに答えよ。
A君(8歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが10秒程度続き、A君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。
〔午後問題113〕
入院後1週。A君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。このときのA君への指導内容で最も適切なのはどれか。
第106回国家試験 午後56
2人以上の精神保健指定医による診察結果の一致が要件となる入院形態はどれか。