貧血(ひんけつ)

貧血とは血中のヘモグロビン値(血色素量)が減少した状態。

傾向と対策

国家試験では、患者のアセスメントとして貧血かどうかを問う問題が頻出である。まずは、貧血の①定義(基準値)、貧血によって起こる②身体的変化(症状)をおさえておこう。
次に、主要な③原因や、貧血の④改善方法も国家試験にて出題されているので、過去問と照らし合わせながら覚えていこう!

よくわかる解説

貧血の概要

貧血は血中のヘモグロビン値(血色素量)が減少した状態。
ヘモグロビンは、ヘム(鉄)とグロビン(蛋白質)が結合した物質で、赤血球内で酸素運搬の役割を担っている。
血中のヘモグロビン値が、男性13g/㎗以下、女性12g/㎗以下、高齢者で11g/dL未満で貧血と定義されている(WHOの基準に基づく)。
(正常値男性:60-200μg/dL、女性:40-180μg/dL)
一般的な貧血の症状は、動悸、息切れ、めまい、耳鳴り、顔面蒼白、頭痛、結膜蒼白などである。


貧血の原因

貧血はその原因により、いくつかの種類に分けることができる。

1)再生不良貧血
再生不良貧血では骨髄造血機能低下が起こり、汎血球減少を生じて貧血出血傾向、易感染が観察される。

2)溶血性貧血
溶血性貧血では赤血球の破壊が亢進しているため、間接ビリルビンが増加する。そのため、通常の貧血症状に加えて黄疸が観察される事がある。

3)鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は体内で鉄が減少し、ヘモグロビンの合成が抑制されるために起こる貧血である。血清フェリチンの減少が観察される。

4)悪性貧血(巨赤芽球性貧血・ビタミンB12欠乏性貧血
悪性貧血ビタミンB12の吸収障害により造血機能が障害される疾患である。汎血球減少が生じるため、赤血球以外の白血球血小板も減少するのが特徴である。

5)葉酸欠乏性貧血
妊娠中には鉄欠乏性貧血葉酸欠乏性貧血が見られることが多い。


治療(改善)方法

治療はその原因によって異なり、鉄分やビタミンや葉酸の補充、移植やステロイド投与、エリスロポエチンの補充や原因疾患の治療などをおこなう。
症状が重篤な場合や、心臓の負担を考慮して輸血を行うこともある。

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