認知症(にんちしょう)
認知症は、一度獲得した知能や認知機能が後天的な原因(大脳の障害)により低下する疾患である。
傾向と対策
よくわかる解説
行動だけではなく、性格や感情にまで変化をきたし、日常生活に支障をきたす。
認知症の人すべてにみられる症状を「認知症の中核症状」とい、記憶障害、見当識障害、判断能力障害、実行機能の障害などがあげられる。徐々に発症するという特徴を持つ。
認知症は、高齢者のうつ病と症状が似ており、区別がつきづらい。また、認知症患者はせん妄を起こしやすいとされている。
認知症の治療
認知症は早期治療が重要視されており、脳細胞が完全に死滅する前に治療を開始できればある程度進行を遅らせることができる。
治療法としては、薬物療法がある。抗認知症薬の副作用には、食欲不振などの消化器症状などがある。
また、薬物療法以外にも、様々なサポート体制が必要となってくる。
認知症患者には情緒安定の環境作りが重要であり、患者のペースに合わせて話をすることでコミュニケーションを図ることが大切である。
また、認知症の高齢者を対象として少人数で共同生活をする場として、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)がある。
グループホームは、介護保険制度における地域密着型サービスの一つである。
65歳以上、要支援2以上の認知症高齢者で、施設と同一の市区町村に住民票がある方が入居できる。入居者の定員は、共同生活住居(ユニット)で5~9人となっている。
原因別の分類
認知症は大きく分けて二つの原因から起こるとされている。脳の神経細胞自体が変化をきたして起こる変性性認知症、何らかの外傷や失敗を原因として起こる二次性認知症である。
1)変性性認知症
変性性認知症は、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、認知症を伴うパーキンソン病、前頭側頭型認知症などがある。
アルツハイマー型は、認知症の中で1番多く、特定のタンパク質の異常と蓄積により神経細胞が徐々に死滅し減少することでおこる。
レビー小体型は、認知症の二割を占め、神経細胞の中にあるレビー小体が異常蓄積することで起こる。
2)二次性認知症
二次性認知症は、脳血管性認知症、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などの疾患や外傷によるものがある。
看護ケアのポイント
認知症高齢者は言葉の理解力が低下しており、聴力も低下していることが多いため、表情を見せながら話をするなどの非言語的コミュニケーションを活用すると良いとされている。認識のミスが起きないように、大きくてわかりやすい掲示をするのも有効である。
言葉で説明しても理解されない可能性があるため、無理に説き伏せるような介入は不適切とされるケースが多い。
認知症の高齢者は室内などの空間に閉じ込もりがちだが、そうした生活はメリハリがなく、症状が悪化するリスクも考えられる。人と触れ合う機会をつくったり、散歩などの外出サポートをすることは、看護ケアにおいて大切なことである。
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