傾向と対策
せん妄の①特徴的な症状と、②せん妄が起こりやすい環境などは覚えておこう。
よくわかる解説
意識障害の一種であり、軽い意識混濁に興奮や錯角、幻覚、精神運動興奮・不安などが加わった特殊な意識障害である。
頭部外傷、認知症、手術後2〜7日目頃、脳血管障害などで確認される。
症状
せん妄は一時的な脳機能の低下により幻覚や錯覚、不安、興奮を伴うことが多く、術後や認知症、中毒などの依存症離脱症状、感染症、脳外傷、脳血管障害、老年痴呆などの身体疾患、器質性脳疾患にみられ心因性精神障害の際にもみられる。
その他
せん妄の促進因子としては、身体拘束や疼痛、環境の変化、心理的ストレス、睡眠障害などがある。
また、高齢者は環境の変化などで認知症が起こることが多く、夕方から夜間に「夜間せん妄」が起こることが多いため、入院による環境変化や心理的ストレスには注意が必要で、日中は可能な限り離床を促し、生活リズムを整えることは介護予防としても有効である。