カリウム(かりうむ)

カリウムは、細胞内の浸透圧の維持やpHの調節、筋収縮、酵素の活性化などに関与する電解質成分の一つ。

傾向と対策

カリウムについて、覚えるべきことは多い。①電解質としての特徴②アルドステロンとの関係性③摂取制限について、説明できるようにしておこう。
また、④基準値を問われることもあるので、正確に把握しておこう。

よくわかる解説

概要

カリウムは細胞内の浸透圧の維持とpHの調節、筋収縮、酵素の活性化などに関与しており、欠乏すると高血圧や筋力低下などをきたす。重症例では筋肉麻痺などを生じることもある。


電解質としての特徴

カリウム細胞内液中に多く含まれる陽イオンで、カリウムの濃度が高く、細胞外液中に多く含まれる陽イオンはナトリウムで、ナトリウムの濃度が高い。


アルドステロンとの関係性

副腎皮質ホルモンのひとつである、アルドステロンは、尿細管に作用してナトリウムの吸収を促進し、カリウムの排泄を促進する(再吸収を参照)。


摂取制限

腎機能が低下している場合にカリウムの摂取を制限をする。
なお、腎不全や腎機能低下などにより尿が生成されにくい場合、腎排出によりコントロールされている血中のカリウム値が高値になりやすいく、不整脈心停止の誘因となることがある為、投与が禁忌とされている。

反対に利尿薬などで排尿を促すと、血中のカリウム値が低値になりやすいので、注意が必要である。


基準値

血清カリウム値の上昇は腎機能悪化の目安となり、腎機能が低下している場合、カリウム制限が実施される。基準値は、3.5-4.5 mmol/L(3.5~4.5mEq/ℓ)。


そのほか

◎日本人の食事摂取基準(2020年版)において、カリウムの目安量は、18歳以上では1日あたり男性2500mg、女性2000mgとされている。目標量よりかなり少ないため、摂取増を目指している。
なお、2020年度版で新設3~5歳のカリウムの目標量が1,400以上。(単位:mg/日)

◎自己誘発嘔吐や下剤の服用によって電解質異常をきたしている場合には、血中のカリウム値が低値になっている可能性がある。電解質の中でも特にカリウムは低値になりやすい。

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