ウイルス(ういるす)

ウイルスは、微生物の一つで、核がないもののこと。

傾向と対策

ウイルスの①構造上の特徴と、感染症における②疫学的な特徴について、確実におさえておこう!
また③代表的なウイルス感染症④その原因ウイルス⑤予防方法についても、合わせてまとめておこう!

よくわかる解説

ウイルスは、生きた細胞を利用して自己を複製させることのできる微生物で、タンパク質の殻とその内部にある核酸からなる。
風邪症候群(感冒)の原因で最も多いのはウイルス感染であり、治療には抗ウイルス薬が用いられる。
よって細菌の増殖を抑制したり殺したりする抗菌薬の投与は無効であることが多い。

国家試験で問われた例

成人T細胞白血病は、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の母子感染が主な原因で生じる疾患である。
子宮頸癌は、ヒトパピローマウイルスの関与が指摘されている。
水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症である。
HIVは、ヒト免疫不全ウイルス(HIVウイルス)が原因で生じる疾患で無症候期がある。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスHBV)によって引き起こされるウイルス肝炎である。


上記以外にも多数あり、大部分のウイルスに効果があるとされる薬品は、2%グルタール、次亜塩素酸ナトリウム消毒エタノール、70%イソプロパノール、2.5%ポピドンヨード、0.55%フタラールなどであり、98度以上で15〜20分の煮沸も有効である。

なお、麻疹麻疹ウイルスの感染によって発症するが、効果的な抗ウイルス薬はなく、対症療法しかない為、1歳と小学校入学前の1年間の2回の接種が義務付けられている。

ウイルス細菌とは異なり、遺伝子はDNARNAのどちらかしかもたない。DNAのみを持つものをDNAウイルスRNAのみをもつものをRNAウイルスとに二分され、DNAウイルスにはB型肝炎ウイルス、アデノやヘルペスなど、RNAウイルスには、風疹麻疹インフルエンザなどがあるが、適切な消毒薬を用いれば、ほとんどのウイルスは不活化できる。

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