体位(たいい)

体位とは、体の位置や姿勢のこと。

傾向と対策

様々な体位の特徴、①体位が疾患に与える影響をおさえて、適切な体位と処置内容を関連付けて覚えておこう!

よくわかる解説

体位とは

体位には、立位、座位、起坐位ファウラー位(半座位)、仰臥位などがある。
患者の疾患や状態、処置などに応じて、適した体位をとる必要がある。


体位が疾患に与える影響

1)心不全の場合は、起坐位になることで、下半身に血液が向かい、静脈還流量が減少するため、心臓の負荷が軽減される。
2)肺血流量は、体位によって静脈還流量が変化(重力の影響)し、立位で最も減少する。(仰臥位が多く、ファウラー位、座位、立位の順で減少する。)


体位が疾患に与える影響

3)呼吸器疾患は全体的に起座位を取ることで、横隔膜が下がり呼吸面積が広がりやすくなるため、呼吸がしやすくなる。(起座呼吸ともいう)
仰臥位は最もエネルギー消費量の小さい安定した体位である。(他の体位に比べ身体の支持基底面積が広く、重心も低いため)


体位が疾患に与える影響

4)経鼻経管栄養法の際には注入物が逆流し、誤嚥しないよう上体を起こしたファウラー位や座位が適切である。
5)上部消化管検査の際には、左側臥位体位を取り、頭部から腹部をまっすぐにして胃液が胃底部に溜まって逆流しないようにするのが一般的である。
胃洗浄時の体位は左側臥位にして、15度程度まで頭を低くすることで誤嚥を防ぎ、胃内容物を十二指腸内に進めないようにする。


体位が疾患に与える影響

6)浣腸を実施する際の適切な体位は左側臥位。(浣腸液が直腸から結腸へと腸の走行に沿って流入しやすい為)
7)臥床患者の体位は、同一体位は、原則2時間以内、エアマットレスなど使用時は、4時間を超えない範囲としている。


シムス位は、半腹臥位ともいい、側臥位を前方に倒し上になった膝を曲げて腹に近づけ、下になった足を軽く曲げ、下になった手は後ろに、上になった手は前上にした体位で、膣や直腸の診察や処置、妊婦の吸息の際の体位として用いられるほか、意識障害患者の舌根沈下予防などに用いられる。
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