側臥位(そくがい)

側臥位は、横向きになって寝る姿勢のこと。右側を下にした姿勢を右側臥位、左側を下にした姿勢を左側臥位という。

傾向と対策

側臥位が治療や処置に適している①理由、またその場合に左右どちらを向くのがいいのか、疾患別に覚えておこう。
特に②排痰時の体位は国家試験に頻出のため、しっかり覚えておこう。

よくわかる解説

適している理由

体位ドレナージの際や、腰椎穿刺の際には、腰椎間を広げる目的で、側臥位で背中を丸めたような側臥位が取り入れられる。


側臥位が適している場合

側臥位浣腸に適した体位である。解剖学的に腸の走行に沿っており、腸損傷のリスクが低く、浣腸液が腸内に留まりやすいためである。
同じく胃洗浄時にも左側臥位とすると、胃の大弯部が下になり、胃内容物を十二指腸内に進めないようにできる。


側臥位が適さない場合

グリセリン浣腸を実施する際、腸管穿孔の危険性が最も高いのは立位である」と国家試験で複数回問われています。立位での実施は、チューブが直腸壁に当たりやすく、腸管穿孔の危険性が高くなる為、絶対に行わない!

経鼻経管栄養法の際は注入物が逆流し誤嚥のリスクが高いため、側臥位は適さない。逆流や誤嚥しないよう上体を起こしたファウラー位や座位が適切である。


排痰時の体位

痰が貯留している部位が高くなるような体位をとることで、痰を重力により気管支末梢から中枢方向へ排出させるのに有意であるからである。


余談

ちなみに、『食後は右側臥位?』が正解か否か話題になりますが、第108回国家試験 午前18で坐位が正答でした。
Q:成人において胃食道逆流を防ぐために食後30分から1時間程度とるとよい体位はどれか。
A:坐位

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