浣腸(かんちょう)

浣腸とは、肛門から直腸内に薬液等を注入すること。

傾向と対策

浣腸の①方法や実施時の②注意点について、おさえておこう!

よくわかる解説

浣腸を実施する際には、次のことに注意する。
体位:左側臥位。解剖学的に腸の走行に沿っていて腸損傷のリスクが低く、浣腸液が腸内に留まりやすい。立位は腸穿孔の危険があるため禁忌
・挿入の深さ:5~6cm。損傷の危険性があるため、10センチ以上の挿入は避ける。
また、口呼吸により腹圧が低下し肛門括約筋が弛緩するため、挿入時には口呼吸が適している。
・温度:体温よりも少し高い38~40度前後。高すぎると腸粘膜のびらんや炎症を起こすし、低い温度では抹消血管を収縮させ血圧の上昇や寒気などを引き起こす原因となる。
グリセリン浣腸の注入速度:50mlを15秒程度の時間をかけて実施。急速注入は、刺激により浣腸液のみが排出されてしまう可能性がある。
浣腸に用いられる50%グリセリン溶液は、浸透圧によって大腸の腸管壁を刺激して蠕動運動を促進し、さらに便を溶かして軟らかくし、便の滑りをよくする効果がある。
また、浣腸を行うことで血圧や脳圧の変動を引き起こすため、頭蓋内圧亢進がある患者には、禁忌である。

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