誤嚥(ごえん)

誤嚥とは、食物などが誤って気管に入ってしまう状態のこと。

傾向と対策

誤嚥について、通常の嚥下との違いを説明できるようにしておこう!また、誤嚥を防ぐ予防策についても覚えておこう。
国家試験に頻出ではないが、逆流誤嚥についても内容を把握しておこう!

よくわかる解説

通常の嚥下との違い

食物や唾液は、口腔から咽頭食道を経て胃へ送り込まれる。この流れを嚥下という。

一方、誤嚥とは、食物や唾液が気管に誤って入ってしまう現象をさす。「むせる」のは、誤嚥した異物を排出しようとする生体の防御反応である。咳嗽反射ともいう。

中には、咳嗽反射が低下している患者もいる。そのため、むせがないからといって、誤嚥が起きないとは限らないので、ケアには注意が必要である。


予防策①

誤嚥を防ぐための食事介助では、最低でも30度はギャッジアップし、頸部前屈する体勢をとる。患者のペースに合わせて、飲み込んだのを確認してから、食事を進めていく。パサパサした食べ物は避け、食物を口に運んだスプーンは水平以下の方向に抜き取ると前屈を維持できる為、誤嚥を防げる。


予防策②

脳梗塞の後遺症で片麻痺嚥下障害のある患者は、誤嚥防止のため、麻痺側に頸部を回旋させ、食塊は健側の口腔内へ入れる。麻痺側に食塊を入れると、入っている感覚がわからず、垂れ流れてしまったり、誤嚥につながる。弾力のある食材は咀嚼が困難なので避ける。麻痺があると、咳嗽反射が起こらずむせたりもせず、不顕性に誤嚥してしまう可能性が高い。


逆流誤嚥

食道癌根治術後は特に食後に逆流誤嚥の危険性がある。食道癌のために食道下部が切除されると、逆流防止の機能を持つ噴門部が失われるため、胃液が逆流し逆流誤嚥を起こしやすくなる。

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