仰臥位(ぎょうがい)

仰臥位は、仰向けになって寝る姿勢のこと

傾向と対策

①利点および②欠点を、全身状態を考慮しつつ捉えておこう。

よくわかる解説

仰臥位の利点

仰臥位は、仰向けになって寝る姿勢である。背部が下になることで身体を支持する基底面積が広く、重心も低いので安定しており、エネルギーの消費も少なくて済む体位であるため、安静が必要な患者に適している。体が水平になるため、全身が心臓と同じ高さになり血流量が増加する。


仰臥位の欠点

一方で、デメリットも多い。
仰臥位は胃と食道が水平になり逆流が起こりやすいため、食後は座位を保つ。
横隔膜が押し上げられ息苦しさが増強するので、呼吸苦のある患者には不向き。静脈の還流量が増加することより肺うっ血を助長するため、呼吸困難感は悪化する恐れがある。


そのほか

自力で体を動かすことのできない患者は、褥瘡発生のリスクがあるため、長時間の同一体位は避けなければならない。仰臥位で体圧が集中する仙骨部は、褥瘡の好発部位の一つである。他にも、後頭部や踵骨部、肩甲骨部、肘頭部でも、褥瘡が発生しやすい。そのため、2〜3時間おきには体の向きを変えたり、体圧を分散させる方法をとる必要がある。

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