褥瘡(じょくそう)

褥瘡は、長期間の臥床状態など骨突出部の皮膚や皮下組織が長時間圧迫されることで血行不良となり、皮膚に水泡形成〜潰瘍〜壊死が生じる状態である。

傾向と対策

褥瘡における①NPUAP分類の評価基準についてもう一度しっかり確認し、自身でステージ分類を鑑別できるようにしておこう!

褥瘡のステージに合わせた②創部ケアの実施手順③使用物品、褥瘡をもつ患者の④日常生活における看護のポイント、褥瘡の⑤好発部位とそれに対する⑥予防方法についてもまとめてみよう!

よくわかる解説

褥瘡は、長期間の臥床状態など骨突出部の皮膚や皮下組織が長時間圧迫されることで血行不良となり、接触している部分の皮膚が壊死して皮膚に潰瘍を生じた状態である。
褥瘡好発部位としては、仰臥位では体圧が集中する仙骨部の他にも、後頭部や踵骨部、肩甲骨部、肘頭部でも、褥瘡が発生しやすい。側臥位では内顆部や骨盤の腸骨稜、大腿骨の大転子などで発生しやすい。また、座位では、坐骨結節部に褥瘡が発生しやすい。

褥瘡とその周囲の皮膚は生理食塩水(または微温湯、流水)で十分に洗浄することにより、創部に残った膿や薬剤、滲出液、細菌などを洗い流すことができる。
褥瘡部の洗浄は、生理食塩水が体液と等張なので褥瘡の免疫細胞や正常な肉芽への刺激が少なく最適で、消毒剤は、刺激が強く肉芽形成の妨げになるので行わない。
ドレッシング材を交換するたびに洗浄を行い、清潔の保持に努める。褥瘡の周囲の皮膚は乾燥を保つが、感染徴候のない瘡面は湿潤環境を保つ。
褥瘡ができてしまった皮膚のマッサージは、組織の損傷と炎症を悪化させる為、禁忌
予防策として、体圧分散マットを使用する。
車椅子利用者の場合、仙骨部の血流を改善させるため、2時間以内ごとにプッシュアップ動作を行うと仙骨部や坐骨部の褥瘡予防が期待できる。
(両手を使って腰を床面から浮かせる動作をプッシュアップ動作という。)
ブレーデンスケールBraden)という「褥瘡発生リスクを評価するスケール」がある。知覚の認知、湿潤、活動性、可動性、栄養状態、摩擦とずれの6項目で構成される。点数が低いほど褥瘡を起こしやすい状況にある。

米国褥瘡諮問委員会〈NPUAP〉の分類法

ステージⅠは、圧迫しても消退しない発赤を伴う損傷のない状態を指す。
ステージⅡは、表皮あるいは真皮までの皮膚損傷のことで、水疱・びらん・浅い潰瘍などを指す。
ステージⅢは、障害が真皮を超え、皮下脂肪層に及ぶ状態を指す。
ステージⅣは、障害が骨や筋肉にまで及ぶ状態を指す。

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