次の文を読み〔午後問題94〕、〔午後問題95〕、〔午後問題96〕の問いに答えよ。
42歳の男性。会社員。2年前から単身赴任で働いている。朝食は食べず、昼食は社員食堂、夕食は惣菜や弁当を購入し自宅で食べている。週に1度は同僚と外食する。自宅での夕食時には焼酎をロックで2、3杯、就寝前にはウィスキーをロックで2杯程度飲む習慣がある。
〔午後問題94〕
同僚と飲食した翌朝、腹痛と嘔気とで目が覚めた。通常の二日酔いとは異なる強い心窩部痛があったため受診した。意識は清明で
呼吸困難はない。
急性膵炎と診断され入院することとなった。高値が予測される
血液検査データはどれか。
1→
カルシウムは血液の凝固や心
筋収縮に関係する物質で、膵炎になると作られる
遊離脂肪酸と結合してしまうため、
低カルシウム血症を起こすことがある。
2→
アルブミンは
肝細胞でのみ作られる
タンパク質で、膵炎になると血管の透過性の亢進から循環
血漿量が減少する。そのため、
アルブミンは低値となる。
3→
アミラーゼはでんぷんなどの糖分を分解する働きを担う酵素の一種で、主に、
膵臓と唾液腺から分泌される。
膵炎になると、
血中濃度、尿中濃度も増加する。
4→α-フェトプロテインは
腫瘍マーカーとして使用される物質で、
肝炎、
肝硬変、原発性
肝細胞癌などで上昇する。