第106回看護師国家試験 午前76

1→Q熱はグラム陰性菌感染症であり、牛やヤギ、ヒツジなどが人への感染に際して媒介となることが多く、感染動物の糞尿や乳汁などに排菌され、空気感染を起こす。Q熱はインフルエンザ様の症状をきたし、重症化すると肺炎や肝炎を発症する。

2→黄熱は黄熱ウイルスによる感染症であり、サルやヒト、蚊を宿主として増殖する。
ヒトが感染する場合は、主に森林でウイルスを保有する蚊に刺されることによって発症する。

3→狂犬病は人獣共通感染症の一種であり、狂犬病ウイルスを保有しているイヌやネコなどの野生動物に噛まれたり、引っかかれるなどした際に感染する。
患者の99％は発展途上国で発生しており、年間に約5万人以上が死亡していると推定されている。狂犬病ウイルスが体内に侵入し、中枢神経に達すると脳炎を引き起こし、幻覚や興奮狂躁状態や嚥下困難などの症状が発生する。一度発症したら治癒は難しいとされている。

4→オウム病はオウムやインコなどの鳥類に広く感染しており、その脾臓や肝臓で増殖する。
感染した鳥類の排泄物からオウム病クラミジアを吸入することによりヒトにも感染する。

5→重症熱性血小板減少症候群（SFTS）は、主にウイルスを保有するマダニに咬まれることで発症する。
主な症状には、消化器の異常、血小板の減少、白血球の減少、発熱、血清酵素異常などがある。