人工呼吸器(じんこうこきゅうき)

人工呼吸器とは、呼吸を補助する医療機器のこと。

傾向と対策

人工呼吸器の使用に伴って起こる①合併症について、まとめておこう!
また、人工呼吸器の在宅使用において②受けられる保険やサービスと、患者・家族らへの③指導のポイント④緊急時の対応方法などについても、あわせて復習しておこう!

よくわかる解説

人工呼吸器は、呼吸器疾患や全身状態の悪化等による呼吸不全や全身麻酔施行時に、気管にチューブを挿入し人工的に呼吸を補助する装置である。

人工呼吸機械について

人工呼吸器には、SIMV(同期的間欠的強制換気)やCPAP (持続陽圧換気)など、様々な換気モードや設定がある。
・アラームには、機械の異常を知らせるもの、患者の状態と設定が合っていないことを知らせるものなど、さまざまな種類がある。
・低圧アラームは「回路内の気圧が設定値以下になった」為であり、原因には、人工呼吸器の回路の破損や接続部のゆるみによる空気漏れ(エアリーク)がある。
・通常時には内部バッテリーで駆動しているが災害時など停電時は、主電源を外部バッテリーに切り替えることで長期駆動時間を確保することが最優先される。


看護について原則

人工呼吸器は生命に直結する機器であるため、接続などに問題があった場合は死の危険がある為、内容の引き継ぎ等は的確に行う必要がある。看護師の業務としての優先順位は、マズロー基本的欲求階層説が1つの指標となる。そのため、生命維持に関する欲求が最も優先される。
が、医師の指示なく、勝手に変更してはならない。(医師の指示や指示簿に従い、看護師が設定の変更を行うことはできる。)


観察される傷病と随伴症状など

人工呼吸器による陽圧換気によって心拍出量の低下が生じる。
陽圧換気を行うと、気道内圧の上昇から胸腔内圧も上昇する。そのため、静脈還流量は減少する。それに伴い、心拍出量の低下、血圧低下、腎血流量の低下に伴う尿量減少などが生じる。)


人工呼吸器関連肺炎とは人工呼吸器を使用してから48時間以降に発生した肺炎を指し、発熱、膿性痰などが生じる。

適応保険について

人工呼吸器を使用している状態は、医療保険訪問看護を利用できる厚生労働大臣が定める疾病等に指定されている。
・厚生労働大臣が定める疾病等には、他にも、末期の悪性腫瘍多発性硬化症重症筋無力症などが対象である。


なお、「第108回国家試験 午後120」において、人工呼吸器に絡めて、下記のような問題が出題された。
問:「人工呼吸器の装着など延命をしたくないのですが、それを意識がなくなったあとにも医師に伝える方法はありますか」
答:「リヴィングウィルは本人が生きている間にその効力を発揮させることが可能な遺言、生前発効遺言とされているため、Aさんの自由意志により作成することが可能である。しかし、日本においては、2019年2月現在、に法的効力は認められていない。」

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