腎盂腎炎(じんうじんえん)

腎臓と尿管の接続部位である腎盂に炎症が生じる疾患

傾向と対策

急性腎盂腎炎と慢性腎盂腎炎の特徴や違いをふまえて覚えておこう

よくわかる解説

大腸菌などによる上行性感染によるものが多いとされる。通常、片腎性のことが多い。

急性単純性腎盂腎炎の特徴的な症状は肋骨脊柱角の叩打痛である。
他に、発熱、悪寒戦慄、疼痛、全身倦怠感などの症状をきたす。
慢性では自覚症状がないといわれる。

※肋骨脊柱角とは、腰椎と左右の第12肋骨に挟まれる左右一対の部位




背中や腰の痛み・高熱・膀胱炎症状(排尿時痛、頻尿、残尿感等)が主な症状です。

腎盂腎炎には、急激に発症する急性腎盂腎炎と、何度も繰り返し発症する慢性腎盂腎炎の2種類があり、それぞれ症状は異なります。急性腎盂腎炎の場合、膀胱炎と同様に排尿時痛、頻尿、残尿感などの症状に加え、発熱、全身倦怠感などの全身症状、腰や背中の痛み、さらには悪心、嘔吐などの消化器症状を認めることもあります。子どもやお年寄りでは脱水による意識障害がみられることもあります。また、細菌が腎臓から血流に乗って全身へ広がった場合(敗血症)、血圧低下(敗血症性ショック)、急性腎不全、多臓器不全となり命にかかわることがあります。

一方、慢性腎盂腎炎の場合、自覚症状がない場合も多く、あっても軽い腰痛や微熱、食欲不振などが現れる程度です。しかし、急激に症状が悪化した場合、急性腎盂腎炎のような症状が生じます。慢性腎盂腎炎の原因が膀胱尿管逆流(膀胱にたまった尿が尿管や腎臓に逆戻りすること)にある場合、腎盂腎炎を何度もくり返すことで腎臓の機能が低下してしまったり、腎性高血圧になったりすることもあります。

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