慢性閉塞性肺疾患（まんせいへいそくせいはいしっかん）

慢性閉塞性肺疾患とは、タバコ煙などの有害物質の長期吸入で生じた肺の炎症性疾患で、肺の過膨張のため、呼気は長くなり、吸気量は少なく、吸気は短くなる。特徴として、胸部打診での過共鳴音、呼気延長、ビール樽状胸郭(前後径と左右径が等しい状態)などが見られる。
肺の肺胞壁が破壊されているために、弾性力低下が生じ肺コンプライアンス(肺の膨らみやすさの指標)は上昇(肺が収縮しにくくなる)する。気流閉塞は不可逆性である。

肺の血液循環が悪くなり右心不全を起こす場合があり、その際は下肢の浮腫や頸静脈の怒張が観察される。
肺炎やインフルエンザなどの呼吸器疾患が重篤化しやすいため、予防接種が推奨される。
呼気が困難となるため、口すぼめ呼吸や、意識して呼気を延長するように呼吸する指導をする。
気道内可分泌や、気道狭窄などによって呼気が制限されるため、肺胞内に残っている残気量は増加する。
％肺活量は、実測肺活量÷年齢・性別・身長から計算した予測肺活量×100で計算される。
慢性閉塞性肺疾患では、1秒率が70％未満となる。