血糖値(けっとうち)

血糖値とは、血液中の糖の濃度のことをいい、ホルモンにより常に一定に保たれている。HbA1cの値と併せて糖尿病の診断に用いられる。

傾向と対策

血糖値の①正常値②血糖値のコントロールに関わるホルモンについて、確実におさえておこう!
また糖尿病以外にも、③血糖値の異常を引き起こしやすい治療について、あわせてまとめておこう!

よくわかる解説

正常値

血液中の糖の濃度を血糖値といい、ホルモン(インスリングルカゴンアドレナリンコルチゾール成長ホルモンなど)により常に一定に保たれている。
空腹時血糖値の正常値はおよそ80~110mg/dlで、糖尿病の診断に用いられる。
なお、一般的に70mg/dl以下で低血糖の症状が出現する。


血糖値のコントロールに関わるホルモン

血糖値が上昇するとインスリンの分泌が促進される。高血糖となっても多くの人は無症状。進行して症状が出現して、口渇、多飲、多尿、疲れやすさや体の怠さ、食べても食べても痩せるなどである。ただし、このように自覚症状がある人は重症であるケースが多い。
血糖値が低下したときには、血糖をあげようと交感神経が働いたり、成長ホルモン肝臓でのグリコーゲン分解を促進し、血糖を上昇させる。低血糖となると、振戦、冷汗、吐き気、動悸、重度では意識障害から死に至ることもある。


血糖値のコントロールに関わるホルモン

血糖値を下げる働きをするのはインスリンだけであり、このインスリンの分泌が低下したり、インスリンに抵抗性が出てうまく血糖値が降下しなくなってしまった場合に、糖尿病を発症する。


血糖値の異常を引き起こしやすい治療

糖尿病患者は手術後にアドレナリンやコルチゾルの分泌亢進のため血糖値が特に不安定になる。
低血糖は死に直結するが、高血糖では、創部感染を起こしやすいことが分かっており、術後の血糖管理は細かく観察し早期発見・予防に努める。


血糖値の異常を引き起こしやすい治療

中心静脈栄養法IVH)では、高カロリー輸液(高濃度の糖分輸液)が投与されるため、高血糖状態が持続し糖代謝異常をきたしやすい。定期的な血糖値の確認のほか、高血糖症状の有無や尿糖値の確認も必要である。


血糖値の異常を引き起こしやすい胎児

妊娠糖尿病であった母体から産まれた胎児の血糖値も高くなることが予測される。
出生後、母体からのグルコースの供給が途絶えた新生児は低血糖となる恐れがあるため、新生児糖尿病のリスクを考えて出生直後から定期的に血糖値の測定を行う。

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