Aさん(55歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。進行性の
多発性硬化症で在宅療養をしている。
脊髄系の症状が主で、両下肢の麻痺、
膀胱直腸障害および
尿閉がある。最近は座位の保持が難しく、疲れやすくなってきている。排尿はセルフカテーテルを使用してAさんが自己
導尿を行い、排便は
訪問看護師が
浣腸を行っている。夫は仕事のため日中は不在である。Aさんの身体状態に合わせた療養生活で適切なのはどれか。
1→
多発性硬化症の患者では、入浴や運動などの体温が上昇したときに神経症状が悪化することがあり、ウートフ徴候と呼ばれる。そのため、シャワー浴が望ましい。
2→麻痺は両下肢にあるが上肢にはないため、自走式の車椅子の利用も可能である。
3→Aさんは座位の保持が困難であり、両下肢の麻痺があることから、日中はベッド上で生活していると考えられる。ベッドの高さは介助がしやすいように介護者に合わせる。
4→Aさんはトイレまで移動しての排泄が困難な状態であり、普段生活するベッド周辺の手の届くところに保管することが望ましい。