第113回看護師国家試験 午後78

1→ビタミンAは、主に視覚の維持、皮膚や粘膜の健康、そして免疫機能の正常化に重要な役割を果たします。胃痛の胃切除術後に特に欠乏しやすいビタミンではありませんので、この選択肢は誤りです。

2→ビタミンB群は、エネルギー産生、神経機能、赤血球の形成などに重要な役割を果たします。しかし、ビタミンB群全体が胃切除術後に欠乏し、貧血を引き起こすビタミンとして特定するのは適切ではありません。胃切除術後に特に不足しやすいのはビタミンB12であり、ビタミンB群の中でも特定の種類を指摘する必要があります。

3→ビタミンB12は赤血球の形成に必須で、その欠乏は貧血の一因となります。胃切除術によって胃の一部が取り除かれると、内因子と呼ばれるビタミンB12の吸収に必要な物質の産生が減少します。このため、長期にわたりビタミンB12が十分に吸収されずに、欠乏し巨赤芽球性貧血を起こす可能性があります。よって、この選択肢が正解です。

4→ビタミンCは、皮膚や血管の健康のためにコラーゲンの生成を助ける他、酸化から身体を守る抗酸化剤としての役割があります。ビタミンCは主に小腸で吸収されるため、胃切除術後の直接的な欠乏原因にはなりにくく、この選択肢は誤りです。

5→ビタミンKは主に血液の凝固に関連し、骨の健康にも重要です。胃切除術後では、脂溶性ビタミンの吸収障害が起こりうるため、ビタミンKの欠乏が見られることがありますが、欠乏しても主な症状は出血傾向であり、貧血を起こす原因とは直接関連しません。したがって、この選択肢も誤りです。