次の文を読み103~105の問いに答えよ。
Aちゃんは
出生前診断で
羊水過多があり先天性
食道閉鎖症の疑いを指摘されていた。在胎37週5日に
帝王切開で出生、出生体重2,780g、
Apgar〈アプガー〉スコア1分後8点、5分後9点である。出生後、Aちゃんは先天性
食道閉鎖症と診断された。
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Aちゃんは、出生当日に
胃瘻造設、気管
食道瘻切断と
食道端々吻合術を受け、無事に終了した。術後2日、
人工呼吸器管理下で胸腔
ドレーンが挿入されている。
このときの看護で適切なのはどれか。
1→不適切です。首を伸ばす姿勢は
気道を確保する際に用いることはありますが、Aちゃんの場合、
食道手術後であり、この
体位は胸部の
ドレーンや
食道の吻合部に不必要な圧迫や緊張を加える可能性があります。また、気管
食道瘻が切断された後、吻合部のストレスを最小限にするために安静を保つことが望ましいです。
2→摂食
嚥下機能の獲得のための支援は将来的に重要ですが、術後2日という時期ではまだ早すぎます。
食道吻合部の癒合を優先し、安静を保つことが必要です。また、Aちゃんは
人工呼吸器管理下にあり、食事の摂取は
胃瘻を通じて行われるため、この時点での摂取や
嚥下の訓練を開始する時期ではありません。
3→術後2日目という非常に早い段階で、特に複雑な手術後の患者においては、親が自由に抱っこすることは適切ではありません。
人工呼吸器管理や胸腔
ドレーンの管理が必要な状況であるため、患者の安全を第一に考え、不必要な動きや圧迫を避けるために、看護師や医師による指示に従った動作が求められます。
4→正解です。唾液は呼吸器の問題を引き起こす原因となるため、定期的に吸引する必要があります。
食道の吻合部にストレスを加えないように、吸引チューブを吻合部の手前で止めるのが適切です。吻合部への直接的な刺激を避けられるため、合併症を防ぎながら患者の呼吸の快適さを維持することができます。