次の文を読み〔午前問題94〕、〔午前問題95〕、〔午前問題96〕の問いに答えよ。
Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌
化学療法を実施していた。半年後、胸壁への
浸潤が進行したため、抗癌
化学療法目的で
入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、
入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。
〔午前問題95〕
Aさんは抗癌
化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、
訪問看護が開始された。
訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。
1→
構音障害は発音が正しくできない状態を指す。
肺
がんでは、
がんが反回神経に
浸潤することによって
嗄声を生じる場合があるが、
構音障害とはべつの症状である。
2→肺
がんに対する抗
がん剤の副作用に聴力低下はない。
また、肺
がんは脳へ
転移することが多く聴力が低下する場合もあるが、現時点では胸壁の
浸潤という情報のため、注意すべきは聴力ではない。
3→肺
がんは脳へ
転移することが多く、
転移の部位によっては
片麻痺を生じる可能性もあるが、現時点では脳への
転移という情報はないため不適切である。
4→肺尖部の
がんが胸壁へ
浸潤した場合はパンコースト
腫瘍と呼ばれ、
浸潤による神経の圧迫のために上肢や肩、腕や背中などの痛みを生じる場合があるため注意が必要である。