次の文を読み〔午前問題97〕、〔午前問題98〕、〔午前問題99〕の問いに答えよ。
Aさん(52歳、男性)、自営業。既往歴に特記すべきことはない。屋根を補修するために、はしごを登っていたところ、足を滑らせて転落し、頭部を打撲した。救急車で病院に搬送され、
頭部CTで、右
前頭葉と
側頭葉の脳挫傷と右
側頭葉の
脳内血腫を認めた。
〔午前問題97〕
入院時、Aさんは痛み刺激に対しても開眼することはなく、払いのけるような動作をするのみで、左上下肢の動きが右上下肢に比べて弱かった。
ジャパン・コーマ・スケール〈
JCS〉による評価はどれか。
1→Ⅱ-20は、大きな声または体を揺さぶることにより開眼する(離握手など簡単な命令に応ずる)状態である。
Ⅱレベルは、刺激すると覚醒する状態、刺激を止めると眠り込む状態であり、2桁で表現される。
2→Ⅱ-30は、痛み刺激を加えつつ呼びかけを繰り返すとかろうじて開眼する状態である。
3→Ⅲ-100は、痛み刺激に対し、払いのけるような動作をする状態である。
Aさんの意識レベルに当てはまる。
4→Ⅲ-200は、痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる状態である。
Ⅲレベルは、刺激をしても覚醒しない状態で、3桁で表現される。
5→Ⅲ-300は、痛み刺激に全く反応しない状態である。
JCSで表す意識レベルのうち、最も意識レベルが悪い状態である。