胸腔ドレナージ(きょうくうどれなーじ)

胸腔ドレナージは、気胸や血胸、胸水貯留等の治療の一つである。

傾向と対策

胸腔ドレナージは国家試験において頻出単語で、覚えることも多いです。胸腔ドレナージの①目的②管理方法を実際に出題されている問題を確認し、解けるようにしておきましょう。

よくわかる解説

胸腔ドレナージ(排液)は、胸腔内に空気・浸出液・血液・膿などが貯留し、肺の膨張が阻害された場合に、それらを体外へ排出する方法である。肺水腫気胸などがみられた場合、胸腔ドレナージの対象となる。
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ドレナージの方法

水封式持続吸引法(ウォーターシール)による胸腔ドレナージでは、滅菌蒸留水か滅菌生理食塩水を使用し水封する。吸引圧は一般的に-10~-15cmH2Oに調整し、ドレナージ中は常に陰圧をかける。また、水封室の水面が呼吸によって上下に動くので(呼吸性移動)、エアリークの有無、回路の異常等の観察が重要である。逆行性感染を防ぐため、ドレーンバッグは挿入部よりも低い位置で保持する。歩行中は胸腔内圧の変化を防ぐため、ドレーン(=ドレーナージするために挿入する管)をクランプ(=遮断)する。


ドレーン抜去の目安

ドレナージは、肺の膨張度、排液量やエアリークなどの観察を行いながら施行される。排液量が100ml/日以下、排液の性状が漿液性、エアリーク水封室の気泡)がないことが、胸腔ドレーン抜去の目安となる。


そのほか

体位変換によって排液を促すこともできる。その際は、ドレーンをクランプせずに行う。
・閉塞(=排液がドレーンの中で詰まること)しそうな場合など、必要に応じてミルキング(=ドレーンの中に溜まった排液をドレーンバッグに絞り流すこと)を行う。
・ドレナージによる体液や蛋白の喪失を補う目的で、同時に輸液が行われることも多い。

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