Aさん(38歳、会社員、女性)は夫と2人暮らし。通勤中に突然の頭痛を訴えて倒れ、救急搬送された。
入院後に行った頭部
CT検査および頭部
MRI検査で、脳
腫瘍と診断された。Aさんは脳
腫瘍摘出のために開頭術を受けた。───脳
腫瘍摘出手術の結果、膠芽腫と診断され、Aさんは
放射線療法と
抗癌薬内服による
化学療法を行うことになった。
放射線療法を開始して1週後、Aさんが頭皮のかゆみを訴えたため、
副腎皮質ステロイド軟膏が処方された。
Aさんへの説明として適切なのはどれか。
1→照射部位の皮膚にも放射線が当たるため、徐々に日焼けのときのように赤くなったり、乾燥して痒くなったり、ひどい場合は傷口のようにじくじくしたり、水ぶくれを起こしたりします。このような状態のときの皮膚は、ひげ剃りやムダ毛の処理も同様で、できることなら全く行わないのが望ましいです。
2→かゆい時は、冷やします。皮膚の温度が下がると神経の興奮が鎮まり、かゆみを抑えることができます。
3→軟膏が皮膚についたまま放射線を照射すると、化学物質が反応して
皮膚炎を悪化させたり、線量が上がってしまう原因となります。
4→
炎症は、
放射線療法終了後1週間くらいをピークに、1か月程度まで持続することがあります。 また、
放射線療法終了2週間ほどすると
炎症がおさまる過程で皮膚は黒ずみ(色素沈着)、かゆみが生じてきます。 こうした
放射線療法による皮膚の変化は通常1年ほどで元の状態に戻りますが、数年かかることもあります。