Aさん(65歳、女性)は、5年前に
乳癌の左胸筋温存乳房切除術と左腋窩
リンパ節郭清術を受けた。1年前に大腿骨
転移のため
日常生活動作〈
ADL〉に一部介助が必要となり、
訪問看護を利用し在宅で療養している。Aさんの左上腕内側の皮膚をつまむと健側より厚みがある。
訪問看護師がAさんに指導する左上腕のケア方法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1→指圧をしても
リンパ浮腫の軽減効果は得られない。
浮腫の改善には用手的
リンパドレナージや圧迫療法が効果的である。
不適切な方法で指圧を行うと
蜂窩織炎の原因になることもあるため、専門的な知識を有する医療者の指導が必要である。
2→
リンパ浮腫が発生しているため、浮腫部分に
炎症や感染が起こると
浮腫が悪化したり、
蜂窩織炎などの可能性もある。
これらを予防するためにも皮膚の露出は控えたほうが良い。
3→
浮腫が起こっている部分は、皮膚が乾燥すると保護機能が低下するために傷ができやすくなる。
保湿クリームなどを使用してスキンケアを行うのは正しい。
4→ナイロン製のタオルは繊維が硬いため、皮膚を傷つけやすいので使用を避けるのが望ましい。
5→皮膚は弱酸性であるため、アルカリ性の石鹸よりも弱酸性の石鹸など肌に優しいものを使用する。