Aさん(65歳、男性)は、
胃癌を疑われ検査
入院した。
入院時、認知機能に問題はなかった。不眠を訴え、
入院翌日からベンゾジアゼピン系の
睡眠薬の内服が開始された。その日の夜、Aさんは突然ナースステーションに来て、意味不明な内容を叫んでいた。翌朝、Aさんは穏やかに話し意思疎通も取れたが「昨夜のことは覚えていない」と言う。Aさんの昨夜の行動の
アセスメントで最も適切なのはどれか。
1→
観念奔逸とは、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態。躁病によくみられる。
2→
感情失禁とは、他愛ないことで、泣いたり、怒ったり、笑ったりする状態。わずかな刺激で感情が出てしまい、本人が自覚していても抑えることはできない。脳の
動脈硬化や
脳梗塞のために起こる
脳血管性認知症の症状として現れる。
3→
妄想気分とは、まわりの世界がいつもと変わってなにか起こりそうだと不気味で怖いと感じる状態である。
統合失調症の初期でみられる。
4→
せん妄とは、急性で一過性の可逆的な全般性の脳機能障害で、
幻覚や行動異常を伴う。高齢患者は、術後に
術後せん妄が認められることが多く、
病室環境や栄養不良などが要因と考えられている。