次の文を読み〔問題103〕、〔問題104〕、〔問題105〕の問いに答えよ。
Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に
瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位
鎖肛と診断された。他に奇形は認められず、
瘻孔は腟と
尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。
〔問題103〕
受診時の観察項目で優先度が高いのはどれか。
1→順調に体重が増加しているということで、活気の観察は優先度が低い。
2→
瘻孔のあるとき女児では、膣から胎便が出たり、子宮や膣に尿が貯まっておなかが腫れることがあるため、まずは
腹部膨満の観察が必要である。
3→腹部腫瘤は腹壁・腹腔内臓器に生じたしこりである。女児では、
瘻孔が拡張し、腟や
尿道に
瘻孔が交通すると腟から便が出たり、子宮や腟に尿が貯まっておなかが腫れることがあるが、腹部腫瘤を形成することはない。
4→
チアノーゼとは、血液中の
還元ヘモグロビンが5g/dl以上になると、皮膚および粘膜が紫色になる状態である。
ファロー四徴症や呼吸器疾患、
うっ血性
心不全などで見られる。
Aちゃんは
先天性心疾患などの異常はなく
鎖肛のみであるので、
チアノーゼを呈する可能性は低い。