次の文を読み〔午前問題106〕、〔午前問題107〕、〔午前問題108〕の問いに答えよ。
Aさん(48歳、女性)は、
重症筋無力症を5年前に発症し、初期から
副腎皮質ステロイドの内服治療を受けて自宅で生活している。現在は、
眼瞼下垂、
複視および上下肢の筋力低下がある。日中は、時間をかければ身の回りのことはできている。月1回の外来受診は強い疲労を伴う。夫とは離婚し、高校生の長女と2人で暮らしている。また、訪問サービスは
訪問看護のみを利用している。
〔午前問題107〕
Aさんがセルフケア能力を維持して、口腔内の清潔を保つための
訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1→筋力低下や疲労感により、時間をかけて、なんとか身の回りのことを行えている状況である。
今後、さらに症状が進行し、セルフケア不足となる可能性は高いため、残存機能を活かし自力で歯磨きしやすいように、自助具を紹介することは適切である。
2→清潔保持のため、含嗽は必要であり、適切な指導ではない。
今後、
嚥下障害が生じた場合は、
誤嚥防止のため含嗽方法の工夫や、含嗽ではなく口腔
清拭を行う等の支援が必要になってくる。
3→
重症筋無力症の患者の症状は、1日の中でも症状の程度が変動する
日内変動や、日によって異なる日差変動がある。
症状の日内差を確認し、比較的症状が軽く動きやすい時に歯磨きなどの
口腔ケアを行うよう計画することは適切である。
4→Aさん本人のセルフケア能力を維持するという目標があるので、長女が
口腔ケアを行うことは、適切ではない。
現段階では、できるだけ本人が行えるように支援することが大切である。
5→筋力低下により、1回の歯磨きの負担は大きい状態であると考えられる。食事の前後に行うのではなく、食後に行えば十分である。