第108回国家試験 午前29
Aさん(45 歳、男性)は、10 年ぶりに会った友人から顔貌の変化を指摘された。 顔貌変化を図に示す。
Aさんの顔貌変化を引き起こしたホルモンはどれか。
正解!
不正解 答え 1
1→
成長ホルモン産生
腫瘍が
思春期以降に発症した場合、
成長ホルモンが過剰に分泌されることで骨形成が進行し、
先端巨大症様顔貌となる。
軟部組織の肥大により、鼻・口唇・舌などが肥大し、骨形成の進行により眉弓部や下顎が突出する。
2→
副甲状腺ホルモンは血中
カルシウムを上昇させる働きを持つホルモンであり、顔貌の変化を生じることはない。
3→
副腎皮質ホルモンは、過剰放出されると
満月様顔貌や座瘡(にきび)などの症状を引き起こす。
図のAさんの顔貌変化は
満月様顔貌や座瘡ではなく、軟部組織や眉弓部など一部の肥大である。
4→
甲状腺刺激ホルモン自体には顔貌の変化を引き起こす作用はない。
しかし、
甲状腺ホルモンが上昇する
バセドウ病では
眼球突出が確認され、
甲状腺機能低下症では粘液水腫顔貌が見られる。