1→
食道の粘膜は、健康な状態では扁平上皮と呼ばれる組織形態を取っている。しかし、
食道の粘膜が慢性的に
胃酸にさらされると、胃から連続的に円柱上皮と呼ばれる組織形態に変化してしまうことがある。この状態をバレット
食道と呼ぶ。
2→下部消化管括約筋の低下による逆流防止機構の異常によって生じる。
3→症状としては、胸焼け・つかえ感・胸骨後部痛・
悪心・嘔吐などがある。自覚症状の強さと内視鏡による病変とは必ずしも一致しない。
4→
プロトンポンプ阻害薬は、
胃酸分泌過程である胃壁細胞で水素イオンと
カリウムイオンを交換し、
胃酸を分泌させるポンプを特異的に阻害し、
胃酸の分泌を抑える作用がある。第一選択の治療法である。
5→
食道の粘膜は扁平上皮覆われており、一方、胃や腸は円柱上皮で覆われている。
胃食道逆流症が長期的に続くことで
食道下部の粘膜が、胃から連続して同じ円柱上皮に置き換えられている状態をバレット
食道という。さらに80%は、
食道がんの発生に関係する腸上皮化生を含んでいて、
食道がんに対してリスクが高い。