第105回看護師国家試験 午後82

1→水腎症は、尿路通過障害から尿閉となるため、腎盂や腎杯が拡張した状態で生じる。前立腺癌では尿路が狭窄するため、水腎症の原因となるため適切である。

2→陰嚢水腫は、水が溜まって陰嚢が膨らんだ状態であり、新生児（男児）に多い。尿路の障害は起こらないため水腎症の原因とはならない。

3→ループス腎炎は全身性エリテマトーデス（SLE）にみられる腎疾患で、進行すると腎不全に至る。蛋白尿、浮腫、腎機能低下などの症状が生じるが、尿路の障害はないため水腎症の原因とはならない。

4→神経因性膀胱では、膀胱から大脳に至る神経の一部の障害によって排尿障害や尿閉が起こるため、水腎症の原因となる。

5→腎アミロイドーシスでは、アミロイド蛋白が腎臓に沈着することで腎機能障害が起こる。蛋白尿などの症状がみられ、ネフローゼ症候群を呈することがあるが、早期の尿路の通過障害を伴わないので、水腎症に至る可能性は低い。