1→腹帯を装着することは、腹圧を支え、術後の早期起床を手伝う効果はありますが、
無気肺の予防には直接的な効果はありません。
無気肺は、肺単位(
肺胞)が閉塞し、その領域の肺組織に空気が存在しない状態を指すため、腹部圧迫とは異なる対策が必要です。
2→
抗菌薬を使用することは、術後感染症の予防に有効であり、特に腹腔内手術に際しては感染症予防のために行われますが、これも
無気肺の直接的な予防にはつながりません。
無気肺は
気道閉塞やガス交換の異常に関連するため、別の予防策が求められます。
3→ハフィング法は、深呼吸の後、口を開けて「フゥ」っと息をはく方法で、
咳嗽と類似した
気道のクリア効果があります。これにより粘液が
気道から移動し、
無気肺を予防することができます。したがって、術後の呼吸機能向上や合併症予防に役立ちます。選択肢3が正解です。
4→弾性ストッキングを装着することは、
下肢静脈血栓症(
DVT)の予防に有効です。これは血行を促進し、
静脈内の血液のうっ滞を防ぐことで
DVTのリスクを減少させますが、
無気肺に対する予防効果はありません。
5→インセンティブ・
スパイロメトリーは、患者に深呼吸を促し、肺の展開しやすい環境を作り出すために使用される器具です。この方法は肺の適切な扇動を促して
無気肺を予防することができるため、術後や長期の臥床において特に効果的です。選択肢5が正解です。