Aさん(66歳、女性)は、4年前に
前頭側頭型認知症と診断され、
介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
1→脱抑制は、
大脳の
前頭葉や
側頭葉を中心に神経変性をきたすため行動の抑制が効かなくなる状態であり、
前頭側頭型認知症の初期から観察される症状の一つである。
2→記憶障害はすべての
認知症に見られる
中核症状である。
しかし、Aさんが隣の人の食べ物を食べてしまう、という状況は記憶障害とは結びつかない。
3→常同行動とは、毎日同じものを食べる、同じコースで散歩をするなど毎日同じ時間に同じ行動を繰り返すことであり、
前頭側頭型認知症においても特徴的な症状の一つではあるが、Aさんの現在の状況とは結びつかない。
4→
前頭側頭型認知症が進行していくと自発性は徐々に失われていくが、Aさんの現在の状況とは結びつない。
5→物取られ
妄想は、財布を取られたと思い込んだりする症状であり、すべての
認知症において確認されるが、Aさんの現在の状況とは関連がない。