成人男性に対する全身麻酔下の膵頭十二指腸切除術が9時に開始されてから40分間の経過を表に示す。9時40分の時点で、間接介助の看護師が医師に確認の上、実施することとして適切なのはどれか。
1→手術の際には、循環血液量に対して出血量が20%未満の場合は
輸血の適応ではない。40分経過の時点で30mLの出血量であるため、
輸血を準備する必要はない。手術中の
輸血の有無は事例により異なるが、一般的に100mL/分以上の大量出血の場合は迅速に新鮮凍結
血漿の
輸血が必要となる。
2→現時点で
血圧は低下が見られるが108/68mmHgであり、特に問題はないため下肢を挙上する必要はない。
手術時の
血圧低下が認められた場合は輸液や昇圧剤の使用を検討する。
3→患者の体温は35.4℃にまで低下してきている。
手術室では
核心体温が36℃を下回ると
低体温と定義されており、体温は35℃よりも低下すると血液凝固障害など悪影響があるため、加温マットの設定温度を上げるのは適切な対応である。膵頭十二指腸切除術は大きな手術であり、出血量が多くなることもあるため、体温管理は重要である。
4→尿量は循環血液量の指標となるため頻回に観察する。
現在尿量は急激に低下が見られているため、40分後の観察では不適切である。
麻酔中は尿量が1時間で0.5〜1.0mL/kg以上になるように管理する。