次の文を読み〔問題112〕、〔問題113〕、〔問題114〕の問いに答えよ。
Aさん(42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、
肝機能障害が認められ内科に
入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール
依存症が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で
見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。
〔問題113〕
入院後2日、夜間にAさんは「壁や布団に虫がたくさんいる」と訴え、興奮して眠らなかった。考えられるのはどれか。
1→
振戦せん妄とは、アルコール
依存症の離脱症状の1つで、四肢の振戦と興奮が主な症状である。虫・蛇・ねずみなどの小動物の
幻視も見られることが特徴である。
2→アルコール
幻覚は断酒後12時間から24時間後に現れ、意識清明で意味のない物音として聞こえる要素性の
幻聴がある。Aさんは、意識清明とは言えず該当しない。
3→
レム睡眠行動障害、50歳以上の男性にみられやすく、通常であれば夢で見たことを行動に起こすことはないが、何らかの原因で筋緊張の抑制が障害されるために夢で見たことをそのまま行動に移してしまうことである。Aさんには該当しない。
4→
急性アルコール中毒は、飲酒により意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ることである。これまで長期間大量飲酒を続けていることからAさんには該当しない。