Aさん(79歳、女性)は、癌の
化学療法を受けていたが、
脳出血を起こし意識不明の状態になった。Aさんの家族は回復する見込みはないと医師から説明を受けた。家族はAさんの延命を望んでおり、医師と今後の治療方針を決定する前に看護師に相談した。Aさんの家族への対応で最も適切なのはどれか。
1→Aさんの延命を望んでいる家族に対して、医師に方針を任せるようなアドバイスは適切ではない。
2→病院の
倫理委員会では医療の倫理に関する問題を扱うが、患者の治療方針を決めることはできない。
3→
終末期では、高齢者の本人の意思確認は困難になる。事前指示(アドバンスディレクティブ)は予後不良の病にかかったとき、または植物状態に至ったとき、
終末期などそれぞれにおいて、治療や延命医療に対する事前の意向と、自分にかかわる代弁者を所定の書式に明記しておく。日本では病院個々の取り組みの段階であり、まだ一般化されていない。この問題の場合、Aさんの意思が最優先されるので、アドバンスディレクティブを確認するよう伝えることが、家族への適切な対応となる。
4→Aさんは癌にも罹患しているため、
経管栄養法を開始しても身体状態を維持できると断言できない。看護師が患者の予後について、勝手に判断して家族に伝えることは適切ではない。