1→
カルシウムイオンは、血液凝固の多くの段階で必要なイオンですが、線維素溶解(線溶)そのものに直接関わる物質ではありません。血液凝固には、凝固因子の活性化に
カルシウムイオンが関わるが、線維素溶解中心となるのは
プラスミンです。
2→
フィブリノゲンは血液凝固の最終段階で線維素に変換され、
血栓を形成する働きがあるため、これ自体は線維素溶解のプロセスには含まれません。
フィブリノゲンは
プラスミンによって分解される対象であるため、線維素溶解の過程では結果を受ける側の物質です。
3→プラスミノゲンは線維素溶解のプロセスに直接関与する物質です。これは、線維素によって形成された
血栓の分解を助けるために、
プラスミンに変換されます。そのため、線維素溶解機構において中心的役割を果たします。選択肢3が正解です。
4→
プロトロンビンは血液凝固過程で、トロンビンに変わる前駆体ですが、線溶過程とは直接的な関係がありません。
プロトロンビンは凝固カスケードの中で活性化され、最終的にトロンビンとなって
フィブリンを生成する役割を持ち、線維素溶解に対しては、その生成物が分解される対象となります。
5→
セロトニンは主に神経系で働く
神経伝達物質ですが、
血小板にも含まれており、血管を収縮させる作用があります。血液凝固や止血プロセスで
血小板が放出して働く一方で、線溶のプロセスには直接関わっていません。
セロトニンは
血栓形成に影響を与える可能性がありますが、線維素溶解ではなく、他の経路で血管反応に関与します。