A さん (43歳、男性) は
統合失調症で通院していたが、 服薬中断によって
幻覚妄想状態が続いていた ある日、Aさんの父親に対する
被害妄想が強くなり、父親へ殴りかかろうとしたところを母親に制止された。 その後、Aさんは母親に促されて精神科病院を受診し「薬は飲みたくないけど、 父親が嫌がらせをするので、 すぐに
入院して家から離れたい」と訴えた。 母親も
入院治療を強く希望している。
Aさんの
入院形態はどれか。
1→応急
入院は、精神の疾患により本人または他人に対して差し迫った危害を加えるおそれがある場合に、一時的に行われる
入院です。このケースのAさんは、
被害妄想を持って父親に危害を加えようとした過去がありますが、すでに母親に制止されており、直ちに危険が迫っている状態ではありません。
2→
措置入院は、法律に基づき、本人の意思に関わらず、一定の手続きを経て行われる入院です。これには、本人が精神疾患により他人に危害を加えるおそれがある場合などで行われますが、このケースではAさん自身が
入院を希望しており、母親も同意しています。
3→
任意入院は、本人の同意のもとで行われる入院です。Aさんは、「薬は飲みたくないけど、すぐに
入院して家から離れたい」と自ら希望しています。母親も
入院治療を希望しているため、
任意入院が適しています。選択肢3が正解です。
4→
医療保護入院は、本人が自己または他者へ危害を与えるおそれがあるか、あるいは自身が重篤な状態にある場合に、本人や家族の同意がなくても医師が判断して行うことができる
入院形態です。このケースでAさんは
入院を望んでおり、親御さんも同意していますので、
医療保護入院の必要性はありません。