Aさん(57歳、女性)は、
子宮体癌のため子宮全摘術を受けた。離床が十分に進まず、術後2日に初めて歩行を試みようとベッドから降りたところ、突然、
呼吸困難を訴えてうずくまった。まず疑うべき疾患はどれか。
1→
自然気胸は突然の
呼吸困難を主訴とするが、子宮全摘と
自然気胸の関連は薄い。
2→術後の離床が十分に進んでいなかったことから、
血栓が形成されやすくなっていると仮定できる。
ベッドから降りたところで、という記述から、
血栓が原因で
肺塞栓症を併発したと考えられる。
3→
子宮体癌が
転移、または長時間の臥床による圧迫による
肋間神経痛の可能性は否定できないが、
肋間神経痛のであればまずは
胸痛が起こり、
呼吸困難になる。
突然
呼吸困難を起こしたという記述から、
肋間神経痛は考えにくい。
4→解離性
大動脈瘤は、胸背部にかけての突然の激しい
胸痛が主訴である。
ここでは子宮全摘との関連は薄く、最初に疑われる疾患ではない。