Aさん(56歳、女性、主婦)は、食後に冷汗を伴う腹痛があり外来を受診した。腹
超音波検査の結果、
胆石を診断され、腹腔鏡下摘出術の目的で
入院した。
看護師は手術オリエンテーションで、術後の
入院期間は2日と説明した。Aさんは、同じ手術を受けた妹が合併症で3週間以上食事もできなかったので、自分も同じ合併症を発症するかもしれないと心配そうに話した。
Aさんは、全身麻酔下で気腹法による
腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けている。
手術中のAさんに最も生じやすいのはどれか。
1→気腹に用いるCO₂は通常冷たく乾燥しており、全身麻酔自体の影響も相まって
低体温になりやすい(むしろ体温低下)。温め加湿CO₂の有用性が議論されているのもこのため。
2→CO₂気腹でお腹の圧が上がると心臓に戻る血の量が減り、心臓のはたらき(
心拍出量)はむしろ下がりやすいです。
3→気腹はお腹にガスを入れてスペースを作る方法なので、
腹腔内圧は「上がる」のが普通です。
4→入れたCO₂ガスが体に吸収されやすいので、血液中の二酸化炭素が増え(PaCO₂が上がり)、呼吸器の調整が必要になります。