1→肺が虚脱して換気が奪われる状態ですが、慢性的CO₂貯留は少なく、高濃度酸素によるCO₂ナルコーシスは起こりにくい。
2→
血栓や
塞栓が肺血管を閉塞し急性に換気血流不均衡を招きますが、慢性Ⅱ型
呼吸不全のようなCO₂貯留は基本的にないため、CO₂ナルコーシスの危険性は低い。
3→肺実質の
炎症で拡散障害が起こりますが、初期は換気が保たれやすく急性増悪時を除けば慢性CO₂貯留は少ないため、高濃度酸素でのCO₂ナルコーシスリスクは
COPDほど高くない。
4→
COPD患者は慢性的に高CO₂血症があり、
呼吸中枢がPaCO₂の上昇を感知しにくくなるため、PaO₂依存で呼吸を維持している。「高濃度酸素を投与しPaO₂が上がると呼吸刺激が減って換気が落ち、さらにCO₂が蓄積してCO₂ナルコーシスを起こしやすい」とされる。