第113回看護師国家試験 午後43

1→冠動脈CT検査は冠動脈の詳細な画像を得るために行われます。この検査は冠動脈の狭窄や閉塞を特定するために用いられますが、うっ血性心不全の診断には直接的ではありません。うっ血性心不全では心臓のポンプ機能の障害が問題であり、冠動脈の状態を詳細に知ることは急性の診断には必須ではないため、優先度は高くありません。

2→心臓超音波検査は非侵襲的な方法で心臓の構造と機能をリアルタイムで評価できます。この検査は心室の収縮能力や弁膜症、心筋肥大などの異常を検出するために使用され、うっ血性心不全の診断に非常に有用です。そのため、うっ血性心不全が疑われる患者では優先度が高い検査といえます。選択肢2が正解です。

3→心筋シンチグラムは放射性同位元素を用いて心臓の血流や心筋の代謝を画像化する検査です。虚血性心疾患の診断や心筋梗塞の範囲を評価する際に有効ですが、急性にうっ血性心不全の管理を必要とする患者では、この検査よりも他の検査が優先されます。

4→心臓カテーテル検査は侵襲的な検査であり、心臓の圧力を測定したり、造影剤を用いて冠動脈の映像を得ることができます。虚血性心疾患の診断や治療計画の立案には有用ですが、急性のうっ血性心不全の評価としては最初に行う検査ではありません。患者の状態を安定させた後で、必要に応じて行われることが多いです。