第113回看護師国家試験 午後26

1→交感神経の興奮が起こると、眼の虹彩括約筋である散瞳筋が収縮します。その結果、瞳孔が広がり散瞳を起こします。これは視線を遠くに集中させるためや、暗い環境での視力を高めるために有効です。これが正しい反応であり、選択肢1が正解です。

2→流涙、つまり涙の生成増加は交感神経よりも副交感神経の作用により起こりやすい現象です。副交感神経が興奮すると、涙腺が刺激され、涙の分泌が促進されます。そのため、交感神経の興奮が直接流涙を引き起こすとは考えにくいです。

3→明順応とは、眼が明るい環境に順応することを指し、交感神経の働きとは直接関係がありません。明るい場所に移動した際には、瞳孔が狭くなることで光の入射量を調節しますが、これは虹彩括約筋が収縮することによります。虹彩括約筋の収縮は副交感神経による作用です。

4→対光反射は、眼に光が当たったときに瞳孔が反射的に狭まる現象です。これも交感神経ではなく、副交感神経の興奮によって引き起こされるものです。虹彩括約筋の収縮によって、光の過剰な入射を防ぐための保護反応です。