次の文を読み 100~102の問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は夫(68歳)と2人で暮らしている。
BMI26で左
股関節の変形性関節症のため
関節可動域の制限と疼痛があり、外出時はT字杖を使用している。症状が強いときに消炎鎮痛薬を服用しているが、
日常生活動作は自立している。
Aさんは過去に転倒したことはないが、左右の下肢の差が3cmあり、立ち上がるときにふらつくことがある。自宅で座って過ごす時間が長い。Aさんは定期受診のため夫に付き添われて外来を受診した。
Aさんの症状の悪化を予防するための説明で適切なのはどれか。
1→
関節可動域の制限があると運動をしないことも考えられがちですが、無運動は筋力低下を招きやすく、転倒のリスクを高めることがあります。定期的な適度な運動は筋力維持や関節可動性向上に寄与し、転倒予防や関節症状の緩和に繋がります。したがって、運動はしないという選択肢は適切ではありません。
2→減塩食は
高血圧や心血管疾患のリスクがある場合に適切な食事ですが、Aさんの変形性関節症に直接関連するとは限りません。したがって、この症状の予防策として減塩食をとるという提案はこの場合は最優先すべき対策ではありません。
3→適切な体重管理は変形性関節症の患者さんに重要な健康維持の要素です。
BMI26は肥満のカテゴリーに入るため、体重減少は関節への負担を減らし、症状の悪化を予防する可能性があります。したがって、体重を減らすことはAさんの状態を考慮すると、症状の悪化を予防するために適切な説明となります。選択肢3が正解です。
4→家事を全て他人に任せることは、Aさんの
日常生活動作の自立性を維持する上で逆効果の可能性があります。
日常生活動作の自立は、筋力の維持と関節の
可動域を保つ上で重要であり、適度な家事活動はこれを維持するのに寄与します。したがって、全て家事を夫に任せるというのは、Aさんの症状の悪化を予防するために適切ではありません。