A さん (82歳、女性、 要介護1) は1人で暮らしている。
認知症と診断され、週1回の
訪問看護を利用することになった。
訪問看護師は、Aさんが調理できなくなったので、
配食サービスを導入したと
介護支援専門員から情報を得た。 初回訪問時に、Aさんは季節外れの服を着ており、今日の日付を答えられなかった。 トイレで排泄できている。
訪問看護師が収集した情報のうち、
手段的日常生活動作 〈
IADL〉はどれか。
1→調理ができないことは、
手段的日常生活動作(
IADL: Instrumental Activities of Daily Living)に関連します。
IADLは、自宅などで自立して生活を営むために必要なより複雑な活動を含んでおり、調理、買い物、家事、
服薬管理などがこれに該当します。Aさんが調理ができなくなったことは、
IADLの低下を示すため、
配食サービスの導入が適切な介入となります。選択肢1が正解です。
2→季節外れの服を着ていることは、行動や判断力の問題を示唆していますが、直接的には
IADLよりもむしろ基本的
日常生活動作(
ADL: Activities of Daily Living)や認知状態に関係しています。適切な衣服を選択する能力は、
認知症の進行に影響されることが多いですが、これ自体は
IADLには含まれないため、この選択肢は正解ではありません。
3→トイレでの排泄は基本的
日常生活動作(
ADL)に分類されます。
ADLは、食事、入浴、着替え、トイレ利用などの個人の基本的な身体的ニーズに関わる活動です。Aさんが自分でトイレに行けるという情報は、彼女の
ADLが比較的独立していることを示していますが、これは
IADLには該当しません。
4→日付を答えられない能力は認知機能に関係しており、特に記憶や意識の明晰度を反映しています。これは、
認知症の診断や認知状態の評価において重要な情報ですが、
IADLとは直接的な関係はありません。したがって、これによる生活活動の自立度を評価する際には使用されません。