Aさん(24歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。半年前に居眠り運転で交通事故を起こした。入眠時の
幻視や睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。また、笑ったり、怒ったりしたときに脱力してしまうこともある。
最も考えられる疾患はどれか。
1→睡眠時遊行症は夢遊病とも呼ばれ、深い
ノンレム睡眠の状態から突然起き上がってあるき回るなど、異常行動が出現する。
学童期前後に発症することが多く、一般的に
思春期前には消失する。
2→ナルコレプシーは突然眠ってしまう睡眠発作や、笑ったり驚くなど感情の動きを誘引とした情動性脱力発作、睡眠中に金縛り状態となる睡眠麻痺、入眠時
幻覚を4主張とする
睡眠障害である。Aさんにはこれら全ての症状が該当している。
3→
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中のいびきや
気道閉塞が繰り返し出現することで一定時間呼吸が停止してしまい、睡眠を障害するという症状を呈する。
睡眠の質が低下するため、日中に強い眠気に襲われることが多い。Aさんにも強い眠気は見られているが、その他の入眠時
幻覚などは症状にないため、選択肢からは除外される。
4→睡眠・覚醒スケジュール障害は、時差がある地域へ旅行したときなど、睡眠と覚醒のリズムが大きく乱れることにより、睡眠の質や量の不足、覚醒児の集中力低下などの症状をきたす状態である。Aさんには該当しない。