次の文を読み〔問題115〕、〔問題116〕の問いに答えよ。
Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは掻痒感のために皮膚科を受診し、老人性
皮膚掻痒症と診断され、抗
ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg 。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km 程度を歩いている。
〔問題115〕
初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・
嚥下の段階はどれか。
1→
先行期とは、食物を目で見て確認する時期のことである。
摂食のための準備をする時期であり、適切ではない。
2→
準備期は、口の中に食物を入れて咀嚼することで食物を唾液と混ぜ合わせて
嚥下しやすいように食塊を形成する時期である。
Aさんは「口の中が乾いて食べにくい」と話しており、
抗ヒスタミン薬の副作用で唾液の分泌が低下し、食塊を形成しにくくなっていることが予想される。
3→
咽頭期は、
嚥下反射が起こることにより食塊が
咽頭から
食道へと送り込む時期である。この時期に障害が発生するとむせや
誤嚥につながる。
4→
食道期は、
食道へと食塊が送られていき、蠕動運動によって更に胃へと送られていく時期である。
この時期に障害が起こると、喉に何かが詰まるような感じを訴えることが多い。